Tuesday, May 31, 2005

メモ(Gigerenzer&go/shogi proverbs)

Gigerenzerらのいうfast and frugal heuristicsは囲碁や将棋の格言(「玉の早逃げ八手の得あり」とか「死はハネにあり」とか)に似ていることに気がついた。

-fast and frugal(思考の省略).
-taking advantage of the information structure of the environment (cue and shortcut)
-relatively specific to the task (depends on proverbs)
-helpful to solve the task which an agent faces
-not universal solution to all range of possible problems

もっと共通点があれば面白い。もちろん格言の方は進化により獲得されたのではないが。

ISH!

某ISHのプログラムを見る。

-Mayrのシンポ。これはあって当然。
-etiological theory of functionの発表がやたらと多い。そんなに流行っているのか。2年前はきのうのセッションは1つだけ(しかも歴史と哲学を会わせて3つしか発表がなかった)だったのだが。
-Naturalizing teleologyというセッションも。
-科学的説明関係のセッションが多いかな(Explaining developmentとかExplanationとかVarieties and limits of mechanistic explanationとか)。
-Natural kindのセッションも注目ですか。
-北米での開催とあって大物がたくさん。HullとかLennoxとかDupreは前回はきていなかったと思う。
-"Classification at the Crossroads of Phylogenetics and Genomics""PhyloCode, Nomenclature, Classification and Taxonomy"もチェック。
-そしてお約束のように自分の発表と同じ時間に聴きたい発表があると。

Saturday, May 28, 2005

マッキーは認識説?

最近はすこしメタ倫理の勉強をしているのだが、メタ倫理の勉強をはじめたとき、マッキーの錯誤説(*)は認識説(**)ではないと間違って思い込んでいた。しかしきょう「倫理とは何か」を見直していたら、そこのところが結構曖昧に書かれていたことがわかった。具体的にいうと

「おおざっぱにいえば、認識説が実在論に対応し、非認識説が半実在論に対応することがわかると思います。」(171頁)

と書かれたあとの次の段落でマッキーが反実在論の代表者として出てくるわけで、ちょっとわかりにくい(錯誤説という名前は出てこないが、argument from queernessは出てくる)。

まあ間違いはよくないが、自分だけの責任ではないことがわかり少しほっとした。

(*)錯誤説:我々の道徳判断---殺人は悪い、とか---は、ありもしない道徳的価値(善悪など)の存在にコミットしているためすべて誤りだという説。
(**)認識説:道徳判断は信念を表していて、従って真偽があるという説。

Tuesday, May 24, 2005

今日友だちと

食事に行ったとき、韓国人の友だちに「なんで国旗や国家を敬わない日本人がいるの? どこの国でも国旗を掲揚したり国歌を斉唱したりするのに」といわれてしまった。

などと産経新聞が喜びそうなことを書いてみる。

Sunday, May 22, 2005

韓国で哲学教育が人気

だという(ここ)。記事だけ見るとクリシンとはだいぶ違うようだ。

哲学教育機関ホームページに設けられた「父兄がみた哲学教室」をみれば、「自分の考えを自ら言えるようになった子ども」に対する嬉しさを表わす父兄の文が多い。

というコメントを見ると前に流行った(今も流行っているのか?)小中学校における「読書の時間」運動に効果がにているか。あれは毎日一定時間著者と向き合うことによって「自分が何をしたいか」「何が言いたいか」をより高次の観点から考えられるようになるという効果があるということをどこかで読んだ気がする(浅羽通明?斉藤孝?どっちか忘れた)。

(May 24) あと大学入試の小論文の効果ってどういうものがあるのだろうか。個人的には「議論の中で具体と抽象をいったりきたりする能力」「ジレンマをジレンマとして理解する力」というのが養われるものの一つだろう。

Wednesday, May 18, 2005

クリシン(パンツをはいたサルではない方)

この夏はcritical thinkingのTAをしているのだが、そのとき気付いたこと。

たとえ同じ命題からなっていても、explanationとargumentは違う。
たとえば

It is raining. Therefore the barometric pressure is low.

はargumentだが、

It is raining. That's why the barometric pressure is low.

はexplanationである。だからsentencesが説明なのか議論なのかはそれを構成するproposisionsだけ見ていてもわからないことがある。

(May 24) なんかこれだけ見るとあたりまえのようだが、ポイントは"therefore"と"that's why"がちがうだけで2つの同じ命題からなる文が議論と説明に分かれるということ。

Monday, May 16, 2005

ヒッチコック

今日Contemporary Debates in Philosophy of Scienceという論文集(Christopher Hitchcock (ed.))を借りてきたのが、contributors紹介のページにこうある。
All of the information below was accurate at the time of publication. Readers should beware, however, that philosophers have sometimes been known to write new books, develop new interests, and even change locations.

以下にある情報は出版の時点では正確である。しかし哲学者は時折新しい本を書いたり、新しい興味を発展させたり、さらに居場所を変えることさえあることが知られていることを、読者におかれては銘記されたい。
またHitchcockの欄には、
Christopher Hichcock is Professor of Philosophy at the
California Institute of Technology. When he is not busy trying to get contributors to submit their papers on time, he is acutally able to pursue his research, which primarily focuses on the theory of causation and explanation. He also works on confirmation and decision thoery, and claims to have solved some beguiling paradoxes in probability. You may find Hitchcock's papers throughout the leading journals in philosophy and philosophy of science.

クリストファー・ヒッチコックは カリフォルニア・インスティテュート・オブ・テクノロジーの哲学の教授である。寄稿者に論文を時間内に提出させようとするのに忙しくないときには、実は彼は自分の研究を行うことができるのである。彼の研究は第一に因果と説明の理論に焦点をおいている。彼はまた確証と意志決定の理論について研究しており、確率についての混乱させられやすいパラドックスを解決したといっている。哲学と科学哲学の主要な雑誌のいたるところで、ヒッチコックの論文は見つかるかもしれない。
ということで結構sense of homourのある人らしい。[一文飛ばして訳していたので少し直しました(Dec.23)]

Friday, May 13, 2005

スイス・アーミーナイフ

OverのGigerenzer本("Simple heurisitics that make us smart")の書評を読む。massive modurality hypothesisにおける心の比喩としてよく使われるswiss army knifeには特定の目的に会わせた刃だけでなくてgeneral purpose bladeがあるらしい。つまり比喩が比喩として成り立っていないと。こういうのはちょっと面白い(Dennettのスパンドレルを思い出すな)。Gigerenzerらのプロジェクトにはきわめて冷淡で「適応的功利性と現代世界の個々人にとって価値があるものを混同している」とさんざん。

Wednesday, May 11, 2005

仕事早い

orzがもうこんなところに。