Wednesday, April 27, 2005

今日学科にいくと

某教授がつれてきていた赤ちゃんにじっと見つめられてしまった。そんなに私の顔はめずらしいのだろうか。

それはともかく、causationの話。probabilistic causaion(確率論的因果)の基本的なアイデアは原因は結果の確率を上げる、つまり

X causes Y iff (= if and only if) X raises the probability of Y

ということ。これは直感的には正しそう。たとえば"Smoking (S) causes heart attack(H)"なら

Smoking causes lung cancer iff smoking raises the probability of heart attack

しかし、だからといって与えられた集団で喫煙者の中より非喫煙者の中の方が心臓発作患者の比率が高いとは限らない。たとえばある国では喫煙をする人、そしてそういう人だけが運動をよくする(X)人であり(ただし両者には因果的つながりはないとする)、しかも運動が心臓発作を防ぐ(喫煙の悪影響に打ちかつ)つよい効果を持つとする。そうすると、たとえばその国では

喫煙者(=定期的に運動をする人)のうち5%が心臓発作を起こす。
非喫煙者のうち10%が心臓発作を起こす。

ということがあり得る。これを確率として読み替えると、

P(H/S)=P(H/X)=.05
P(H/~S)=.10

って喫煙しないことが心臓発作の原因なのかよ!ということになる。このようなことを防ぐためにCartwrightやEellsはcontextual unanimityという概念を導入する。つまりHの発生に因果的に関与する要因(の組み合わせ)をすべて取り出して、あらゆる組み合わせで事象Xが事象Yの確率を上げたときにはじめてXはYの原因といえるというわけである。

これを上の例にあてはめると、問題は運動という心臓発作への因果的要因を固定せず単純にP(H/S)とP(H/~S)を比べたことにある。適切な分析は、運動をする人からなる集団の中で、また運動しない人の集団の中で、P(H/S)とP(H/~S)の大小がどうなるかを見なくてはいけない。つまり、もしそういう要因が運動の有無しかないとすると、CartwrightやEellsらによる因果の定義は(この例だと);

S causes H iff P(H/S&X)>P(H/~S&X) and P(H/S&~X)>P(H/~S&~X)

ということになる。しかしこれに「ちょっと待った!」をかけるのがDupre(アクサンなしですみません)であるが、その話はつぎで。

Saturday, April 16, 2005

I heart Huckabees

きのうはtake-home examとterm paperの締め切り日で徹夜だったので、ちょっとのんびりしてしまった。

I heart Huckabeesをみる(imdb)。existential detectiveなるものが出てくるというので見てみたが、全然だめ。 environmentalistとかanti-petroleum activistとか俗流zenistとかのだめなところを全部あつめたような感じ。どうして哲学やってる人はそのことについてこんな風にはしゃべらないっていうことがわからないのだろうか。 (むかーしに見たWittgenstein(imdb)というのはなかなか面白かった。あとこの本もよい) 。

とはいえ哲学やってるっていうとこんな感じで見られることもあるんだよなあこれが。こんな人に、昨日出したタームペーパーで「ある国にすむX氏は第三期梅毒に罹患して麻痺に陥った。しかし第三期梅毒に罹患して麻痺に陥る人は罹患する人の25%しかいない。しかもその国では梅毒に罹患しなければ25%以上の確率で麻痺に陥る。このときX氏の麻痺の原因は何か」について書きましたなどといったら、どういう風に思われるだろうか。

Tuesday, April 05, 2005

ポリティカルコンパス

眠れないのでポリティカルコンパスというのをやってみる(某くんどうもです)。

判定結果は下記の通りです。
政治的な右・左度(保守・リベラル度)
-0.83
経済的な右・左度(市場信頼派・政府介入派)
-2.27

あなたの分類はリベラル左派(リベラリスト)です。

自分ではもう少し保守のつもりだったのだが。大学院生でリベラル左派なんて当たり前すぎてつまらん。