今日学科にいくと
某教授がつれてきていた赤ちゃんにじっと見つめられてしまった。そんなに私の顔はめずらしいのだろうか。
それはともかく、causationの話。probabilistic causaion(確率論的因果)の基本的なアイデアは原因は結果の確率を上げる、つまり
X causes Y iff (= if and only if) X raises the probability of Y
ということ。これは直感的には正しそう。たとえば"Smoking (S) causes heart attack(H)"なら
Smoking causes lung cancer iff smoking raises the probability of heart attack
しかし、だからといって与えられた集団で喫煙者の中より非喫煙者の中の方が心臓発作患者の比率が高いとは限らない。たとえばある国では喫煙をする人、そしてそういう人だけが運動をよくする(X)人であり(ただし両者には因果的つながりはないとする)、しかも運動が心臓発作を防ぐ(喫煙の悪影響に打ちかつ)つよい効果を持つとする。そうすると、たとえばその国では
喫煙者(=定期的に運動をする人)のうち5%が心臓発作を起こす。
非喫煙者のうち10%が心臓発作を起こす。
ということがあり得る。これを確率として読み替えると、
P(H/S)=P(H/X)=.05
P(H/~S)=.10
って喫煙しないことが心臓発作の原因なのかよ!ということになる。このようなことを防ぐためにCartwrightやEellsはcontextual unanimityという概念を導入する。つまりHの発生に因果的に関与する要因(の組み合わせ)をすべて取り出して、あらゆる組み合わせで事象Xが事象Yの確率を上げたときにはじめてXはYの原因といえるというわけである。
これを上の例にあてはめると、問題は運動という心臓発作への因果的要因を固定せず単純にP(H/S)とP(H/~S)を比べたことにある。適切な分析は、運動をする人からなる集団の中で、また運動しない人の集団の中で、P(H/S)とP(H/~S)の大小がどうなるかを見なくてはいけない。つまり、もしそういう要因が運動の有無しかないとすると、CartwrightやEellsらによる因果の定義は(この例だと);
S causes H iff P(H/S&X)>P(H/~S&X) and P(H/S&~X)>P(H/~S&~X)
ということになる。しかしこれに「ちょっと待った!」をかけるのがDupre(アクサンなしですみません)であるが、その話はつぎで。
それはともかく、causationの話。probabilistic causaion(確率論的因果)の基本的なアイデアは原因は結果の確率を上げる、つまり
X causes Y iff (= if and only if) X raises the probability of Y
ということ。これは直感的には正しそう。たとえば"Smoking (S) causes heart attack(H)"なら
Smoking causes lung cancer iff smoking raises the probability of heart attack
しかし、だからといって与えられた集団で喫煙者の中より非喫煙者の中の方が心臓発作患者の比率が高いとは限らない。たとえばある国では喫煙をする人、そしてそういう人だけが運動をよくする(X)人であり(ただし両者には因果的つながりはないとする)、しかも運動が心臓発作を防ぐ(喫煙の悪影響に打ちかつ)つよい効果を持つとする。そうすると、たとえばその国では
喫煙者(=定期的に運動をする人)のうち5%が心臓発作を起こす。
非喫煙者のうち10%が心臓発作を起こす。
ということがあり得る。これを確率として読み替えると、
P(H/S)=P(H/X)=.05
P(H/~S)=.10
って喫煙しないことが心臓発作の原因なのかよ!ということになる。このようなことを防ぐためにCartwrightやEellsはcontextual unanimityという概念を導入する。つまりHの発生に因果的に関与する要因(の組み合わせ)をすべて取り出して、あらゆる組み合わせで事象Xが事象Yの確率を上げたときにはじめてXはYの原因といえるというわけである。
これを上の例にあてはめると、問題は運動という心臓発作への因果的要因を固定せず単純にP(H/S)とP(H/~S)を比べたことにある。適切な分析は、運動をする人からなる集団の中で、また運動しない人の集団の中で、P(H/S)とP(H/~S)の大小がどうなるかを見なくてはいけない。つまり、もしそういう要因が運動の有無しかないとすると、CartwrightやEellsらによる因果の定義は(この例だと);
S causes H iff P(H/S&X)>P(H/~S&X) and P(H/S&~X)>P(H/~S&~X)
ということになる。しかしこれに「ちょっと待った!」をかけるのがDupre(アクサンなしですみません)であるが、その話はつぎで。